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TRTA 東京リメディアルセラピーアカデミー BLOG

世界と繋がる学びで未来を変える|TRTAブログ 2024年2月

2024年2月のブログは、TRTA豪州オイルマッサージ国家資格コース専用サイトにて掲載させていただきました。下記のリンクをクリックにてご覧いただけます。

世界と繋がる学びで未来を変える


 
2024年02月29日 21:00

新年のご挨拶|TRTA東京リメディアルセラピーアカデミー

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新年おめでとうございます。
旧年中はご愛顧いただき誠にありがとうござました。

まずは、元日に発生しました能登半島地震で被災された方々へ心よりお見舞いを申しあげます。一日も早い復旧を願うばかりです。

さて、昨年2023年を振り返りますと、世界ではロシア軍事侵攻の長期化、中東情勢の緊迫化、米地銀破綻による金融不安、欧米を中心とした物価高および景気後退によるスタグフレーション懸念など、不安定な状況が続きました。当スクールの提携校があるオーストラリアでも、家賃の高騰により、手ごろな価格で借りられる賃貸物件は1件につき大量の応募があったという話も聞きました。

一方、日本国内においては、5月にコロナ禍での行動制限が解除され、日本全国が観光客で賑わい活気が戻ってきました。また、春闘賃上げ率もプラス3.6%と30年ぶりの高さとなり、長らく続いたデフレ経済からインフレ経済へと変化しようとしているのが感じられる年でもありました。

2024年も、国内外あらゆるものが急速に変化していく年になるでしょう。そして、世の中が複雑化し、大量の情報が溢れ、不確実性の高い状況が続いていくと思います。このような変化の激しい時代においては、流行に流されない「いつの時代も変わらず通用するもの」の価値が上がっていくと思っております。

TRTAのマッサージセラピー教育においても、どこに行っても/いつの時代も変わらず通用する「基礎力」をつけていいただくことを大切にしています。そのため、授業では、本質の理解に重きをおいています。本質が理解できて、基礎が身についていれば、自ずと応用がきくようになるからです。数学の勉強でいうと、問題集の答えをただ覚えるのではなく、公式の意味から学んで理解するから色んな問題が解けるようになる、というイメージです。これが普遍的なものを学ぶ価値です。

また、情報過多時代を、自分らしく心豊かにハッピーに生きるためには「自分にとっての正解を自ら確立していくこと(自分軸)」も益々大切になってくると思います。そのために、授業では、一人ひとりの得意分野を伸ばしていくこと、個性を尊重し違いを受け入れる多様性を養っていくこと、自分の頭で考え構想していく力をつけていくことにも重きをおいています。

年頭所感_TRTA東京リメディアルセラピーアカデミー_ブログ

TRTAは専門知識や技術に関する講座を提供するだけでなく、『これからの時代を生き抜くために必要な感性や思考力』を磨いていくことができるようなスクールを目指しています。

今年は「甲辰(きのえ・たつ)」(=物事の始まり、芽が出たものが形になる、勢いと大きな力、成功)という縁起のよい年で、新たなチャレンジを始めるのにふさわしい年です。

皆さまの成長と目標達成をサポートし未来への一歩を共に歩んで参りたい所存ですので、 本年も何卒よろしくおねがいいたします。


TRTA代表 渡辺 万里子

2024年01月04日 13:25

『顔のたるみ』はなぜ起こる? 悩みを解消するリフトアップ技術

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顔のたるみの原因には、皮膚や皮下組織の老化現象や、顔を取り巻く筋肉の衰え等があります。

皮膚や皮下組織の老化現象については、お肌(表面)のケアを継続的に行うことで、老化のスピードを少しでも緩やかにしていくことが大切になります。

そして、顔を取り巻く筋肉の衰えを防ぐには、筋肉を適切に活性化していくことが必要です。

特に、ここ数年の感染症流行により、長時間マスクを着用するライフスタイルになってから「顔のたるみが気になる」という方が増えています。マスクをしていると、口回りが隠されているため、その部位は他人の目が気にならなくなり、筋肉の適度な緊張がなくなってしまいます。口呼吸によっても口を開閉する筋肉が衰えます。また表情も作りにくくなるため、マスク無しの状態よりも顔の表情筋全般が使われいない状態になります。

このように、長期間にわたり、顔の筋肉が衰える生活をすることも、顔のたるみが進行する原因になります。

小顔_顔筋リフトフェイシャル_ブログ_短期集中講座_解剖学

TRTAの「顔筋リフトテクニックコース(2days集中/12時間)」では、この『顔のたるみ』の原因の一つである、「顔を取り巻く筋肉」にアプローチする技術を習得することができます。講座では「ひとまわりスッキリした小顔、シャープなフェイスラインをつくる技術」と「その裏付けとなる理論」を学びます。サロンユーザー様への施術としてだけでなく、自分自身のリフトアップケアとしてもご活用いただけます。

フェイスから頸部デコルテの筋骨格系にアプローチするため、見た目の効果だけでなく、“神経的な疲れが取れた”、“頭がスッキリした”、“首や肩のコリが取れた”などのお声もいただいているトリートメントです。

そして、このメソッドは、オーストラリアのリメディアルセラピーの学びと臨床、および日本国内での20年に及ぶサロン臨床によるフィードバックをもとに開発したものです。国内だけでなく、アメリカ・香港・カザフスタン・ロシア・タイからも学びに来ていただいており、また外資大手スパでも導入実績があります。

▽講座情報はこちらをクリック
≫ 顔筋リフトテクニックコース(2days集中/12時間)

▽以下は、顔筋リフトテクニック講座受講生の声の一部です。


顔筋リフト_小顔フェイシャル講座_ブログ_TRTA東京リメディアルセラピーアカデミー


 
2023年12月06日 17:00

TRTA 東京リメディアルセラピーアカデミーブログ 2022~2023年

2022年から2023年のブログはTRTA豪州オイルマッサージ国家資格コース専用サイトにて更新させていただきました。
下記リンクよりご確認くださいませ。

▼2023年12月
4年ぶりにオーストラリア現地での研修を開催

▼2023年11月
究極のリラクゼーション手法『スウェディッシュマッサージ』とは

▼2023年10月
新たなキャリアに向かって着実に前進するための5つのポイント

▼2023年9月
異業種からセラピストに転身する選択肢

▼2022年12月
【画像で見る】国家資格取得コースの最終実技評価の様子

▼2022年10月
オーストラリア研修での多様な経験と世界観

▼2022年9月
令和時代のセラピストの多様な働き方

▼2022年8月
オーストラリアのマッサージ文化と健康意識

▼2022年7月
『リメディアルマッサージ』とは

▼2022年6月
【資格取得の最終過程】マッサージセラピー実技評価&オーストラリア救急講習

▼2022年5月
これからの時代を発展的に生きるためのキーワード 『ダイバーシティ&インクルージョン』

▼2022年4月
【10年の回想】オーストラリアの文化と教育の魅力

▼2022年2月
「LIFE SHIFT(ライフシフト)」について考える


 
2023年12月05日 17:30

健康情報:「脳機能と免疫系の関係」

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現在、神経系と免疫系は互いに独立して機能するのではなく、相互に作用している(脳→免疫系、免疫系→脳)いることが認識されています。

中枢神経系が免疫システムに存在する細胞/分子を利用しており、免疫応答システムは免疫細胞によって産生される神経内分泌物質(neuroendocrine mediators)によって調節されています。[2]

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●人間の様々な能力の源=脳


人間の、様々な能力(学ぶ・覚える・作品を作る・計画するなど)は、脳の可塑性(環境に適応して変化する力)に依存しているといわれています。そして脳の可塑性は、脳の能力※に依存していることが明らかになってきています[1]。

※脳の能力
・神経細胞間の結びつきをつくる力
・既にある神経細胞どうしの結びつきを強くする力
・新しい神経細胞をつくり続ける力(=神経新生)

1950年代頃までは大人の脳が新しい神経細胞をつくる能力があるという概念はありませんでしたが、1960年代頃から、アメリカの神経科学者でソーク研究所教授のFred Harrison Gage氏、同神経科学者・心理学者でありプリンストン大学教授のElizabeth Gould氏らによりそれが覆されました。

現在、脳の海馬(=学習や記憶を司っている)で、新しい神経細胞が生涯に渡りつくられていることが実証されています。

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●明晰な頭脳と免疫機能を保つためにできること


1:運動
運動をすると、思考や感情に関連する神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミン)の分泌が促されます。また運動により、新しい神経細胞が生み出され、神経化学物質※や成長因子も放出されます。

※神経化学物質
=神経細胞の機能調節など様々な役割を担っている化学物質の総称
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2:瞑想
瞑想は、脳の集中力/注意力、記憶・学習、意識知覚と関連のある領域に作用し、免疫系の機能を向上させ、ストレスを鎮める効果(=α波)があることが、いくつかの研究で明らかになっています。
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3:食事[3]
野菜・果物・ナッツ類・魚・乳製品などをバランスよく摂取することは、明晰な頭脳と免疫機能を保つことにつながります。
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〇オメガ3脂肪酸
:植物由来のαリノレン酸、魚類由来のDHA,EPAがある
αリノレン酸は亜麻仁油やエゴマ油に多く含まれ、DHA,EPAは青魚に多く含まれる

-αリノレン酸=血中中性脂肪を下げる作用
-DHA=記憶力や判断力の向上に有効
-EPA=脳内に血栓ができることを防ぐ

〇抗酸化作用のある食品
:活性酸素※の発生やその働きを抑制したり取り除く作用がある
- ポリフェノール=ブルーベリー、大豆、ゴマ、緑茶
- カロテノイド=緑黄色野菜、果物、甲殻類、魚類
- 抗酸化作用を持つビタミン(ビタミンA,C,E)=ナッツ類など

※活性酸素
人体で活性酸素が過剰になると、がん・動脈硬化・老化・免疫機能の低下などを引き起こす原因となる過酸化脂質が作り出されます。

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免疫力を高めることは、脳機能を高めることや心の健康を支えることにも繋がります。心と体と思考の健康は相互に影響しあっています。

[1] 神経免疫学革命 脳医療の知られざる最前線 (早川書房)

[2] Neuroimmune Interactions: From the Brain to the Immune System and Vice Versa
 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5866360/

[3] 厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-009.html

※本コラムの情報の正確性について 当サイトのコンテンツや情報におきましては可能な限り正確な情報を掲載するよう努めておりますが、必ずしも正確性や安全性を保証するものではありません。

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2021年12月15日 17:00

健康情報:「ウイルス感染と神経系の関係」

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病原体から身体を守るための仕組みである免疫系。この免疫系は、社会的ストレスの影響を受けると神経系や内分泌系を介して機能変化が起こることが、精神神経免疫学(*1)の分野における様々な研究で明らかになっています。

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▼以下、参考文献[1] [2]より

・神経伝達物質(*2)の受容体が免疫細胞(*3)の表面にあること、さらにその細胞に情報を伝えることができる新しい神経伝達物質が発見された[1]。

・ストレスなどの心理的要因により脳内から神経伝達物質が放出され、それが免疫反応に影響を及ぼす。また、それと同時に免疫系から放出された化学物質が逆に脳に影響を及ぼす(病気になると、憂鬱な気分になったり、眠くなったりして引き籠る等)[1]。

・リンパ系神経支配に関する多くの研究は、神経活動の急激な変化がリンパ系器官内のノルアドレナリン量を変化させる主なメカニズムを構成すると推定している[2]。

そこで、本日は免疫系と神経系の関係を理解するために必要な基礎知識を共有させていただきたいと思います。

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1:ヒトの免疫系に関する基礎知識
2:生体防御反応=白血球が担当
3:白血球と自律神経
4:ウイルス感染と自律神経
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1:ヒトの免疫系に関する基礎知識
=重層的な防御体制
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●第一関門
=上皮
・病原体(細菌やウイルスなど)が生体に侵入するのを防ぐ

●第二関門
=自然免疫 
=生まれつき備わっている免疫
・体内に侵入した病原体を一様に感知して対応し、排除する

●第三関門
=獲得免疫
=後天的に備わる免疫
・体内に侵入した病原体毎に攻撃方法を習得して記憶し(抗体をつくる)、次に同じ病原体が侵入してきたときに一早く対処する


2:生体防御反応=白血球が担当
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白血球は大きく分けると3種の免疫細胞に分けられます。
・リンパ球(T細胞、B細胞、NK細胞)
・単球(マクロファージ、樹状細胞)
・顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)


3:白血球と自律神経
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白血球中の顆粒球とリンパ球は自律神経の支配を受けて比率が調節されます。

・顆粒球=交感神経支配=主に細菌処理をする
・リンパ球=副交感神経支配=主に抗体を利用した免疫反応によりウイルス等を処理する

季節や環境に伴って、自律神経の働きも変化します。例えば、冬から春に変化するときは寒い冬の時期の交感神経優位から副交感神経優位に移行するため、白血球の比率もリンパ球の比率が上がる傾向になります(→リンパ球の過剰反応によりアレルギー症状が多くなる)。


4:ウイルス感染と自律神経
下記は風邪ウイルスに感染して風邪症状が発症してから治癒するまでの自律神経と身体症状の推移です。

→ウイルス感染にする
→リンパ球が増加
→副交感神経による症状が出る
(脈が遅くなり怠くなる・鼻水が沢山でてくる・発熱する)
→交感神経による症状が出る
(鼻水が硬くなる/化膿性炎症)
→治癒


<用語解説>
(*1)精神神経免疫学
・1975年にアメリカ・ニューヨーク州ロチェスター大学の心理学者ロバート・アデル氏とニコラス・コーエン氏により初めて使われた言葉で以後広く評価されている研究領域
・脳と免疫系との相互作用を研究する精神神経医学/心身医学の一領域(プラセボ効果や心身症などがこの分野に含まれる)
(*2)神経伝達物質
=脳内の化学物質
・神経細胞(ニューロン)と標的細胞との間で信号を伝達する
例)セロトニン、ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリン、アセチルコリン
(*3)免疫細胞
=体に侵入してきた病原体と戦う細胞
→リンパ球(T細胞、B細胞、NK細胞)、樹状細胞、マクロファージ

<参考文献>
[1]講談社『「病は気から」を科学する』ジョー・マーチャント (著), 服部 由美 (翻訳) 
[2]Social Stress Enhances Sympathetic Innervation of Primate Lymph Nodes: Mechanisms and Implications for Viral Pathogenesis
https://www.jneurosci.org/content/27/33/8857

※本情報の正確性について
当サイトのコンテンツや情報におきましては可能な限り正確な情報を掲載するよう努めておりますが、必ずしも正確性や安全性を保証するものではありません。
2021年11月16日 10:00

健康情報:「動かないこと」が身体に及ぼす影響

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テクノロジーの進化と共に、肉体労働(=動く仕事)からデスクワーク(=動かない仕事)の比率が上がり、更にコロナ騒動による外出自粛や、リモートワークの導入が進んだことにより、特に2020-2021年はじっと座って動かない時間が増えました。 そこで、今回のコラムでは「動かないこと」が身体に及ぼす影響と、適度な運動の効用について紹介させていただきたいと思います。

●座りっぱなしの時間と慢性疾患の関係

座りっぱなしの時間が長い生活は心臓血管系の疾患や糖尿病などの発症リスクが高くなり、結果として寿命が縮む可能性があるという調査結果がいくつかの研究チームから発表されています[1][2][3]。
・座っている時間が1日当たり8〜12時間で、2型糖尿病の発症リスクが約90%高くなる
・週に23時間以上、座ってテレビを閲覧する男性は、週のテレビ閲覧時間11時間の男性よりも心血管疾患で死亡するリスクが64%高い 等

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●動かない状態が続くことにより起こる*「生活不活発病」

生活不活発病は、動かない状態(生活が不活発な状態)が続くことにより心身の機能が低下して、動けなくなることをいいます[4]。
*「生活不活発病」:大川弥生氏(産業技術総合研究所ロボットイノベーション研究センター聘研究員)が提唱
以下、リンク[4]より


1 災害時には「動くに動けない」状態で「生活が不活発」になり、生活不活発病が生じる
2 心身機能の低下よりも、生活行為(「活動」)の低下にまず表れる 「心身機能」の症状が明らかになるのはかなり進行してから
3 全身のあらゆる心身機能が低下する(体も、心も頭の働きも)


災害や外出自粛要請/リモートワーク導入などの「動きにくい」環境下では、意識して動くようにしないと「動けなく」なり、あらゆる心身機能が低下するリスクが上がります。


●適度な運動の効用[5]

軽〜中強度の運動(ウォーキングなど)はエネルギー消費を高めるため、生活習慣病(肥満、糖尿病、高脂血症など)の予防に有用であることは良く知られていますが、それだけでなく、皮膚や粘膜のバリア機能を高め病原体の侵入を防御し貪食細胞の機能を刺激することから(免疫能を上げる)、風邪などの上気道感染症のリスクが減少することが報告されています。一方で、長距離マラソンなどの激しい運動や過酷なトレーニングは免疫機能を低下させ易感染性になるといわれています。

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[1]THE LANCET|ARTICLES| VOLUME 388, ISSUE 10051, P1302-1310, SEPTEMBER 24, 2016 https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(16)30370-1/fulltext

[2] Sitting for long periods increases risk of disease and death, regardless of exercise|University Health Network https://www.uhn.ca/corporate/News/PressReleases/Pages/Sitting_study.aspx

[3] Sitting Time, Physical Activity, and Risk of Mortality in Adults|ScienceDirect https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0735109719337891

[4]「生活不活発病」に注意しましょう|厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10600000-Daijinkanboukouseikagakuka/0000122331.pdf

[5] Inflammatory Effects of High and Moderate Intensity Exercise—A Systematic Review|Frontiers Media S.A. https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fphys.2019.01550/full

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2021年10月22日 20:46

健康情報:『ウイルスを理解するための基礎知識』

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このブログでは、最新のセラピー情報や健康増進に役立つ豆知識をお伝えしていきます。
今回のテーマは、ウイルスや感染症を理解するために必要な基礎知識を共有させていただきたいと思います。

まずはウイルスや感染症を理解するための専門用語(ゲノム、DNA、遺伝子、微生物)の理解[1]、そしてウイルスの特徴と風邪ウイルスについて検証してみたいと思います。

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▲写真はイメージです

●ゲノム(Genome)
・細胞内にあるすべてのDNAをひとまとめにしたもの。

●DNA(Deoxyribo Nucleic Acid)

・細胞の中心部に主に存在し、二重のらせん構造になっている。

・らせんには4種類の塩基が30億個ほど連なっている。

 

●遺伝子(Gene)

・遺伝情報をもっているDNAの一部/領域。

・ヒトの遺伝子は約21000個といわれている(研究成果により常に変動している)。

*ミジンコは3万1千個の遺伝子を有する[2]。

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●微生物

・細菌、菌類、ウイルス、古細菌など、肉眼では判別できない微小な生物を指し、その種類は多岐にわたる。

・人体に棲むこれらの微生物を合わせると、その遺伝子の総数は440万個になり、ヒトの遺伝子と協力しながら体を動かしている[2]。

・遺伝子の数で比べれば、圧倒的に微生物の遺伝子の数が多い。 

●ウイルス
・自己増殖することはできず、特定の宿主(ウイルスの寄生対象となる生物)の細胞内に入って増殖する。
・ゲノムを構成する核酸の種類によって、DNAウイルスとRNAウイルスに二分される。

 

RNAウイルスの特徴

・遺伝物質=RNA(リボ核酸)を持つ。

・構造=一本鎖の構造=ウイルスの遺伝子は対になる鎖(データを相補的に補う)を持たないため不安定な構造。

・上記の構造のため、一般にRNAウイルスは高速に変化する能力をもつといわれている。

 

DNAウイルスの特徴

・遺伝物質=DNA(デオキシリボ核酸)を持つ。

・構造=二本鎖の二重らせん構造(=生物の細胞における遺伝子と同様の構造)=ウイルスの遺伝子は安定した構造をもつ。

 

RNAウイルスとDNAウイルスの違いを比較

✓RNAウイルスが細胞で複製するときの変異頻度はDNAウイルスの数千倍といわれている。
=故に、宿主の免疫系をかい潜ったり、抗ウイルス薬やワクチンに対する耐性を早く身につけやすい。

✓一部のウイルスを除いて、RNAウイルスは宿主の細胞で活発に増殖するため複製サイクル数が多い。

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 ▲組織構造(上=RNA、下=DNA)



風邪ウイルスとは

風邪の症状を起こす原因微生物の約9割がウイルスといわれています。主なものはライノウイルス、コロナウイルスが多く、他にはRSウイルス、アデノウイルスなどがあります。風邪症状の10~15%(流行期は35%)はコロナウイルスが原因といわれています。コロナウイルスは、HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1、の4種があります[3]。ウイルス以外では、一般細菌やマイコプラズマなど特殊細菌も原因となります。

 

ウイルスが変異するのは今に始まったことではない

前述の通り、RNAウイルスは基本的に変異しやすいタイプのウイルスです。よって、風邪ウイルスやインフルエンザウイルスも、新型コロナウイルス同様に変異して、常に「新型」(いわゆる変異株)が出続けています。そして、これからもウイルスの新型は出続けます。
 

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これまで、私たち人間は微生物(細菌やウイルスなど)と共存して生き延びてきました。そして毎年変異を繰り返す風邪ウイルスに曝露しながら免疫を獲得してきました。

子供の頃に泥にまみれながら遊んでいた記憶がある方も少なくないと思いますが、そうやって自然や人と関わることで多様な微生物を体内に取り込んで生きてきました。

健康な人の体にいるウイルスを網羅的に調べた結果、少なくとも39種類のウイルスが潜んでいることがわかったという論文も発表されています[4]。

適度な感染症対策をしながら、できるだけ自然に、楽しく、普通の生活をしながら健康増進を心がけていきたいものです。


【参考文献】
[1] 生命情報・DDBJ センター|遺伝子とゲノム
https://www.ddbj.nig.ac.jp/activities/gene-genome.html

[2]『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』アランナ・コリン(著),矢野真千子(翻訳) |河出文庫

[3]NIID国立感染研究所|コロナウイルスとは
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/9303-coronavirus.html

[4]The Asahi ShimunGLOBE+|健康な人の体に39種も ウイルスは体内で何をしているのか
https://globe.asahi.com/article/13708394

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2021年09月21日 10:00

ワークスタイル:『セラピストとセカンドキャリア』

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このブログでは、最新のセラピスト情報や今後に役立つ豆知識をお伝えいたします。

2020年以降、世界のワークスタイルは様変わりし、日本国内においても女性のセカンドキャリアへの意識に高い変化も生まれています。今回は、セカンドキャリアにおける様々な現状、背景、傾向からセラピストの可能性を考えてみたいと思います。
 
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1、セカンドキャリアとは
2、現状と背景
3、セカンドキャリアでセラピストとして働く
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1,セカンドキャリアとは

人事労務用語で「第二の人生における職業」として広く定義されています。近年では日本政府より働き方改革や高年齢者雇用推進法の改正、女性活躍推進法の制定など、セカンドキャリアを通じて誰もが働き続けられる社会が推進されています。[1][2]

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2,現状と背景

一般的には結婚・出産・子育て後の復帰、退職後のキャリア、プロスポーツ選手の引退後などがイメージとして多いかもしれませんが、令和になった今では多様性やフレキシブルな働き方が重視され、再就職や起業(独立)だけでなく兼業や副業からセカンドキャリアの可能性を拡げるニーズも高まっています。大手人材総合サービスが2021年3月に全国の社会人800名を対象に実施された「副業/複業の潜在ニーズに関する意識調査」では、副業をしたい理由については、「本業以外の収入を得たい」が圧倒的に多く、次いで「自分のキャリアを広げたい」「人脈を広げたい」「スキルを活かしたい」といった、自身のキャリア開発への意識の高さがあります。背景には、企業の昇進制度の問題、不安定な雇用体制などの現実面や平均所得の低下、世帯収入の伸び悩みなど経済面での理由が挙げられます。[2][3]
 
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2,セカンドキャリアでセラピストとして働く

セカンドキャリアとセラピストについて考えてみました。年々、セラピストの仕事に興味を持つ方が増えています。そのきっかけは様々で 、「健康増進への興味から、本格的に解剖学やマッサージセラピーを学んでみたくなった」「自分が定期的にマッサージを受けていて、その良さを実感しているため、人にもやってあげくなった」「人にダイレクトに喜ばれることを仕事にしたい」などがあります。ファーストキャリアに一区切りがついたところで、セカンドキャリアとして新しい分野にチャレンジすることは人生100年時代において当たり前になってくるのではないかと思います。
 

~セラピストとしてのワークスタイル 5つの具体例~

●働きながら週末だけの副業スタイル(シェアサロン型)
   ✓内容)安定した本業を持ち、好きなセラピストを週末だけ行う働き方
 ✓サロン例)不眠に悩む子育て中の方を対象に土日のみ運営し、施術を行う限定サロン
 ✓ポイント)ターゲットを絞り、ここだけしかない施術内容をお客様に提供
 ✓メリット)限定的な対象が選べるため、適切な施術メニューを構築することができる

●ライフスタイルを大切にするスタイル(自宅サロン型)
 ✓内容)ご自宅の一室をサロンとして利用、ご自身やご家族とのライフスタイルに合わせて運営する働き方
 ✓サロン例)テクニックを習得し自宅で開業、お住まいの地域のお客様を中心にサロンを運営
 ✓ポイント)都心にはない、地域ならではのコミュニケーションから信頼と価値を生み出す
 ✓メリット)オンオフをご自身で決めることで、希望のライフスタイルを実現できる

●企業オフィスへの訪問スタイル(出張セラピスト型)
 内容)企業の福利厚生で会議室や企業イベントで行う出張専門サロン
 サロン例)近年、IT市場の成長率が近年高く、知人の紹介を通じてオフィスへの定期訪問が実現
 ポイント)ウェブ開発やソフトウェア制作のエンジニアは、経営側から福利厚生を手厚くされる傾向がある
 メリット)安定的な定期訪問(契約)が可能になる、仕事柄の脳疲労や運動不足から施術を好まれる方が多い

●独立し開業するスタイル(店舗経営型)
 内容)ご自身のビジョンに合った店舗を経営、ひとりから始め数年後には多店舗経営する方も存在する
 サロン例)オイルトリートメントや自然療法の専門サロンを都内で開業し、現在も経営を継続
 ポイント)資本金や持続可能な経営をしっかり学び、セラピスト教育を構築することが大切
 メリット)ご自身のイメージでオリジナルの店舗経営が実現できる

●トレーナー提携スタイル(提携サロン型)
 ✓内容)パーソナルトレーナー(ヨガ、ダイエット、スイミング等)と提携し、レッスン前後のケアや予防の専門サロン
 ✓サロン例)無店舗で運営、事前予約制で案件ごとのスクールやサロン、ジムに出張するスタイル
 ✓ポイント)近年、個別レッスンのニーズが急増。顧客のメニューオプションとして提案
 ✓メリット)各トレーナーと提携することで多分野の顧客へ施術を提供できる可能性が拡がる

当スクールにおいてもオイルマッサージセラピストとして延べ500名を越す(令和3年8月現在)方が受講しており、上記のように各々の新しいキャリアを拡げています。[4]
 
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異業種や未経験からのセカンドキャリアとしてセラピストにチャレンジする方の職業は多様です(ITエンジニア、Webデザイナー、マーケター、メーカー、金融、不動産、サービス、総合職、一般事務、主婦、美容師、看護師、など)。

セラピストは、人に喜ばれると同時に、自分自身も癒され、心がハッピーになれる仕事です。そして、一生モノのスキル(手に職)を身に着けることで、年齢や性別に関わらず、時間・環境・働き方を選択できます。状況に応じたフレキシブルな働き方ができることも、セラピストの仕事がセカンドキャリアの選択肢の一つとして選ばれるポイントになっているのではないかと思います。

10年目を迎えたTRTAでは、既存のスクールとともに「人生を豊かに、人をケアすることで自分の心もハッピーになれる働き方」を支援し、ひとりでも多くの方にキャリアの可能性を拡げるサポートができればと考えています。

 
【参考文献】
[1] 厚生労働省 「副業・兼業の促進に関するガイドライン」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000192188.html

[2] 日本最大のHRネットワーク   日本の人事部 「セカンドキャリア」
https://jinjibu.jp/
 
[3] パーソルプロセス&テクノロジー 「プロテア」調べ
https://www.persol-pt.co.jp/protea/
 
[4] 東京リメディアルセラピーアカデミー 「2010~2020年受講生」調べ

 
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2021年08月30日 14:20

健康情報:『ビタミンDと健康』

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この健康情報では、最新の情報やセラピストとして役立つ豆知識をお伝えいたします。

ビタミンDは日光浴により紫外線を浴びることで生成されるビタミンであることからサンシャインビタミンとも呼ばれ、カルシウムと骨の健康に重要な役割を果たしていることは昔から良く知られていることです。 
また近年、ビタミンDは自然免疫および獲得免疫応答を調節することができるという研究結果も報告されています[1]。
以下は、ビタミンDに関する情報の要約です[2][3][4]。

 

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1、摂取目安量
2、主な作用
3、摂取できる食品
4、ビタミンDと太陽
5、ビタミンD生成に影響を与える要因
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1、摂取目安量

日本人の食事摂取基準(2020年版)ではビタミンDの1日の摂取目安量が18歳以上の男女ともに8.5 ㎍(マイクログラム)
*耐用上限量が100㎍と設定されています[2]。

*耐用上限量:過剰摂取による健康障害を未然に防ぐ量
世界の多くの国や一部の専門学会では、ビタミンDの摂取量のガイドラインが多少異なっています(ビタミンDに関する生物学的および臨床的意味合いに対する理解が不完全であることや、ガイドラインの目的が異なること等から)


 

 2、主な作用

・腸管や肝臓でカルシウムとリンの吸収を促進することにより血中のカルシウム濃度を保つ。
それにより、

 :正常な骨の発達と維持を可能にする
 :筋肉の不随意の収縮、こむら返りや痙攣を予防する

・骨芽細胞と破骨細胞による骨成長と骨リモデリングにも必要な栄養素である。

・炎症を抑えるだけでなく、細胞増殖、神経筋機能、免疫機能、グルコース代謝などのプロセスを調節するなど、体内での他の役割を持っている


 

3、摂取できる食品

ビタミンDを天然に含む食品は非常に限られています。

・サケ、マグロ、サバなどの脂肪性の魚はビタミンDの最良の供給源である

・牛レバー、チーズ、卵黄には少量のビタミンDが含まれている

・キノコ類もビタミンDが含まれている

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4、ビタミンDと太陽

週に数回、10〜15分間、腕や脚の皮膚を露出して太陽に当たると、人体に必要なビタミンD量が生成されるといわれています。

▽5.5 µg のビタミンD量を産生するために必要な日光浴時間 [3]

【7月】日光浴時間帯:12時

・札幌(北緯 43 度) =4.6分

・つくば(北緯 36 度)= 3.5分

・那覇=7.5分

【12月】日光浴時間帯:12時

・札幌=76.4分

・つくば=22.4分

・那覇=7.5分

緯度によって紫外線量が違いますが、冬(特に北の地域)はビタミンDが不足しないよう食事やサプリメントでも意識的に取り入れていくと良いでしょう。

※サプリメントを利用する際には、現在服用している処方薬または市販薬との相互作用あるいは阻害を起こす可能性があるか等を担当の医師・薬剤師・医療専門スタッフにご相談なさってください。

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5、ビタミンD生成に影響を与える要因
 環境要因、生物学的要因、文化的慣習などが、ビタミンDの状態の差異となってあらわれます。

・環境的条件

 =地理的な位置、大気汚染、雲の有無などが紫外線の強さに大きく影響する。

・肌を隠す服装

 =宗教的または文化的な理由で肌の大部分を覆う服装をする地域ではビタミンD不足による症状(くる病や骨軟化症)が珍しくない。

・日光への過度な安全策

  =日焼け防止指数(SPF値)が10の日焼け止めを塗ると、塗布部位のUVBが90%減るといわれている。

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 ・高齢

   =年配者は皮膚でビタミンDを合成する能力が低下している。施設に入るなどで日光に当たらない生活をすることで更にビタミンD欠乏リスクが上がる。

  その他、肥満や疾患(慢性腎臓疾患、炎症性腸疾患、脂肪吸収不全症など)等によってもビタミンDの生成や代謝に影響が出るといわれています。
 

【参考文献】
[1] EB Symposium Manuscripts:Vitamin D and the Immune System|Cynthia Aranow, MD|Received March 2, 2011.
https://jim.bmj.com/content/59/6/881.long
 
[2]厚生労働省eJIM | ビタミンD | サプリメント・ビタミン・ミネラル
https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/10.html
 
[3]厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書|ビタミン(脂溶性ビタミン)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586561.pdf
 
[4]OregonStateUniversity |Linus Pauling Institute » Micronutrient Information Center|VitaminD
https://lpi.oregonstate.edu/mic/vitamins/vitamin-D


これからも皆様と皆様のご家族の健康が保たれることを祈っております。

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2021年07月31日 22:00