ホームブログページ2021年 ≫ 7月 ≫

2021年7月の記事:TRTA 東京リメディアルセラピーアカデミー BLOG

健康情報:『ビタミンDと健康』

ダウンロード (3)

この健康情報では、最新の情報やセラピストとして役立つ豆知識をお伝えいたします。

ビタミンDは日光浴により紫外線を浴びることで生成されるビタミンであることからサンシャインビタミンとも呼ばれ、カルシウムと骨の健康に重要な役割を果たしていることは昔から良く知られていることです。 
また近年、ビタミンDは自然免疫および獲得免疫応答を調節することができるという研究結果も報告されています[1]。
以下は、ビタミンDに関する情報の要約です[2][3][4]。

 

//////////////////////////////////////////////////////////////
1、摂取目安量
2、主な作用
3、摂取できる食品
4、ビタミンDと太陽
5、ビタミンD生成に影響を与える要因
//////////////////////////////////////////////////////////////

 

1、摂取目安量

日本人の食事摂取基準(2020年版)ではビタミンDの1日の摂取目安量が18歳以上の男女ともに8.5 ㎍(マイクログラム)
*耐用上限量が100㎍と設定されています[2]。

*耐用上限量:過剰摂取による健康障害を未然に防ぐ量
世界の多くの国や一部の専門学会では、ビタミンDの摂取量のガイドラインが多少異なっています(ビタミンDに関する生物学的および臨床的意味合いに対する理解が不完全であることや、ガイドラインの目的が異なること等から)


 

 2、主な作用

・腸管や肝臓でカルシウムとリンの吸収を促進することにより血中のカルシウム濃度を保つ。
それにより、

 :正常な骨の発達と維持を可能にする
 :筋肉の不随意の収縮、こむら返りや痙攣を予防する

・骨芽細胞と破骨細胞による骨成長と骨リモデリングにも必要な栄養素である。

・炎症を抑えるだけでなく、細胞増殖、神経筋機能、免疫機能、グルコース代謝などのプロセスを調節するなど、体内での他の役割を持っている


 

3、摂取できる食品

ビタミンDを天然に含む食品は非常に限られています。

・サケ、マグロ、サバなどの脂肪性の魚はビタミンDの最良の供給源である

・牛レバー、チーズ、卵黄には少量のビタミンDが含まれている

・キノコ類もビタミンDが含まれている

ダウンロード 



4、ビタミンDと太陽

週に数回、10〜15分間、腕や脚の皮膚を露出して太陽に当たると、人体に必要なビタミンD量が生成されるといわれています。

▽5.5 µg のビタミンD量を産生するために必要な日光浴時間 [3]

【7月】日光浴時間帯:12時

・札幌(北緯 43 度) =4.6分

・つくば(北緯 36 度)= 3.5分

・那覇=7.5分

【12月】日光浴時間帯:12時

・札幌=76.4分

・つくば=22.4分

・那覇=7.5分

緯度によって紫外線量が違いますが、冬(特に北の地域)はビタミンDが不足しないよう食事やサプリメントでも意識的に取り入れていくと良いでしょう。

※サプリメントを利用する際には、現在服用している処方薬または市販薬との相互作用あるいは阻害を起こす可能性があるか等を担当の医師・薬剤師・医療専門スタッフにご相談なさってください。

ダウンロード (2)


5、ビタミンD生成に影響を与える要因
 環境要因、生物学的要因、文化的慣習などが、ビタミンDの状態の差異となってあらわれます。

・環境的条件

 =地理的な位置、大気汚染、雲の有無などが紫外線の強さに大きく影響する。

・肌を隠す服装

 =宗教的または文化的な理由で肌の大部分を覆う服装をする地域ではビタミンD不足による症状(くる病や骨軟化症)が珍しくない。

・日光への過度な安全策

  =日焼け防止指数(SPF値)が10の日焼け止めを塗ると、塗布部位のUVBが90%減るといわれている。

ダウンロード (1)
 

 ・高齢

   =年配者は皮膚でビタミンDを合成する能力が低下している。施設に入るなどで日光に当たらない生活をすることで更にビタミンD欠乏リスクが上がる。

  その他、肥満や疾患(慢性腎臓疾患、炎症性腸疾患、脂肪吸収不全症など)等によってもビタミンDの生成や代謝に影響が出るといわれています。
 

【参考文献】
[1] EB Symposium Manuscripts:Vitamin D and the Immune System|Cynthia Aranow, MD|Received March 2, 2011.
https://jim.bmj.com/content/59/6/881.long
 
[2]厚生労働省eJIM | ビタミンD | サプリメント・ビタミン・ミネラル
https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/10.html
 
[3]厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書|ビタミン(脂溶性ビタミン)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586561.pdf
 
[4]OregonStateUniversity |Linus Pauling Institute » Micronutrient Information Center|VitaminD
https://lpi.oregonstate.edu/mic/vitamins/vitamin-D


これからも皆様と皆様のご家族の健康が保たれることを祈っております。

※本コラムの情報の正確性について 当サイトのコンテンツや情報におきましては可能な限り正確な情報を掲載するよう努めておりますが、必ずしも正確性や安全性を保証するものではありません。

2021年07月31日 22:00

健康情報:現代病の「ドライアイ」について考える

009988

この健康情報では、最新の情報やセラピストとして役立つ豆知識をお伝えいたします。
ドライアイは、日本人の6人1人、推定2千万人が悩まされている、まさに現代病です。目が疲れているだけと済ます人も多くいますが、実際には症状や治療法など良く理解されていない方が多いのが現状です。今回のブログでは頭痛や肩凝りまで影響すると言われているドライアイについて考えてみたいと思います。


098

ドライアイとは

涙の分泌量が不足したり、量は十分なのに涙の質の低下により涙がすぐに蒸発したりなどの異常によって角膜が乾燥し、目の表面が傷ついてしまう病気です。涙は油層、水層、ムチン層の3層から成り立っており、それぞれのバランスを保つことで涙の安定性を保っています。しかし、この涙の状態が不安定になることで、涙が蒸発しやすくなったり、眼表面に傷がつきやすくなったりします。涙は角膜や結膜の細胞へ栄養を供給するのにも使われているため、ドライアイになることで角膜や結膜が傷付きやすくなります。パソコンやスマートフォンの長時間の使用なども原因とされており、年々増加傾向にあります。 

 

原因とされる行動

原因と考えられるのはやはり、パソコンやスマホを使うのが当たり前の時代であることです。パソコンなどの画面を見ていると光がチカチカしています。すると人間の脳は「まばたきをせずしっかり見ないといけない」と本能的に判断します。なので、まばたきの回数が、普通の、半分以下に減って、ドライアイになってしまいます。もう1つの大きな原因は、住宅環境が昔に比べ良くなっていることです。最近はすきま風の入る家が減り、エアコンで快適な生活をしています。湿度の少ない環境となり、自然と目を酷使している状況になっています。

0987


隠れドライアイ

ドライアイは、目が乾くことで、目の不快感や視力の低下が起こるものです。症状としては、目の乾燥感、目がゴロゴロする、見えにくい、疲れ目が出てきます。ただドライアイの人の中でも、目の乾きに気づかない人もいます。そういう人を、「隠れドライアイ」ともいいます。その中でドライアイが原因で、頭痛、肩こり、イライラ、などの症状が出てくる人もいます。
 

ドライアイを改善するための知識

量は足りているのに、なぜかあっという間に乾いてしまうのか、そんな“涙の質”を左右する重要な成分として、今注目されているのが冒頭にも書いた油層です。わたしたちの涙はただ水分だけで出来ているわけではありません。まばたきの際に液層(水分など)の上に、さらに油の層をつくることで、涙が乾かずに目の表面に留まるように助けてくれています。その油を作り出す場所は私たちのまぶたで、「マイボーム腺」と呼ばれる目の油を分泌する腺が上下・両目合わせておよそ100本あります。昨年、在京キー局の調べでは、このマイボーム腺は年齢とともに、機能しなくなる人が増えていることが分かってきました。40代でおよそ5人に1人がこのマイボーム腺の機能が低下していることが判明しています。


0098
 

日常的なケアで予防する

このマイボーム腺の機能の低下を現す兆候のひとつが、まぶたのフチにできるニキビのようなもの。実際に“目のニキビ”とも言われ、マイボーム腺の入り口の油が詰まりかけている初期段階であることを示しています。このようにマイボーム腺が詰まったままで放置していると、腺の油を出す機能そのものが失われてしまい、大事な油が出てこなくなってしまうことも。目の油の質をあげるための点眼薬治療などはまだありませんが、予防や初期段階のケアとして、いますぐ出来るのが「目を温める」ことが大切です。目の油を溶かして改善するために適切な温め方のポイントは以下のとおり。

✓まぶたを40度ぐらいのタオルで温めること
✓5分以上温め続けること
✓まぶたが濡れないようにすること(気化熱で温度が下がってしまうため)。

098
 


ドライアイは冬場だけではなく、この夏場でも発生しますので日頃のケアが大切です。
これからも皆様と皆様のご家族の健康が保たれることを祈っております。

※本コラムの情報の正確性について 当サイトのコンテンツや情報におきましては可能な限り正確な情報を掲載するよう努めておりますが、必ずしも正確性や安全性を保証するものではありません。

2021年07月04日 15:00