オーストラリアのマッサージセラピー教育制度と民間医療保険制度
オーストラリアでは病気や身体の不調をケアする方法の一手段として、各種自然療法(カイロプラクティック、オステオパシー、フィジオセラピー、アロマセラピー、リメディアルマッサージ、ナチュロパシーなど)が普及しており、その国家資格制度も整備されています。
また、オーストラリアでは、政府の行っているメディケアという医療健康保険と民間の会社が行っている医療健康保険があり、政府のメディケアでカバーできない分野(歯科、各種療法)を民間医療保険でカバーできる制度があります。
自然療法普及の背景には、自然療法が民間医療保険適用対象であることと、オーストラリア政府の機関(Australian Skills Quality Authority)が、国家資格発行元の政府認定教育機関に対して、教育カリキュラムのガイドラインを開発・管理し、資格のクオリティー維持に日々努めている活動があります。
保険会社が認める団体/協会が認定する政府認定資格コースを開催する教育機関で所定の認定講習を受けたセラピスト/療法士は民間医療保険を適用することができる資格(ヘルスファンドプロバイダー:Health fund provider)を得ることができます。
ヘルスファンドプロバイダーを保持するには、毎年、保険会社が認める団体/協会へ活動記録(勉強会に参加した記録や就労状況など)を提出する義務があります。よって、現役で活動し技術の維持向上に努めていない場合は、ヘルスファンドプロバイダーの資格を失効してしまうため、施術を受ける利用者側にとっても有益な制度といえます。
この国家資格制度によってセラピストのプロフェッショナリティーが守られ、民間医療保険制度によって国民のマッサージ・代替療法の利用が促されています。